ディズニー映画、原作はまるでホラー。比較、と希望の世界への転換をみる

ディズニー映画の夢の世界

ディズニー映画は沢山の素敵な物語を世に送り出してきました。

誰もが知っている古典的な物語、「白雪姫」や「シンデレラ」や「ピノキオ」など、多くの方はディズニー映画の世界をまず頭に描くのではないでしょうか。

でも実は、ディズニーの映画と原作の間には大きなギャップがあり、美しいディズニーワールドとは全く相容れない、あまりの違いに驚かされます。

ディズニーが切り捨てた部分には、おどろおどろしい世界や、人間の憎しみや醜さが生々しく描かれており、又、残酷な世界が繰り広げられます。

原作とのギャップ

例えば白雪姫。

原作は有名なグリム童話。

グリム童話は、ドイツに伝わる空想上の民話をグリム兄弟が編集したものです。

白雪姫はドイツヘッセン州の民話です。

まず驚くのは、白雪姫をお城から追い出すのは、継母かと思いきや、実母(初版本)なんです。

実の娘の美しさに嫉妬し、狩人に命じて城を追い出し、あろうことか命を奪う事を命じます。

白雪姫を哀れんだ狩人は、姫を殺さず、王妃から命じられていた証拠としてイノシシの肝臓を差し出します。

そして、肝臓を手にした母は、美しさを得ようと、何とその肝臓を塩ゆでにしてぺろりと食べてしまうのです。
何ともグロテスクな光景です。。

その後、魔法の鏡によって娘の生きていることがわかり、実に三度も殺害を計画、実行し、三度目の毒リンゴによって、ようやく成功するのです。

その後、通りかかった王子が死体でもいいからともらい受けるのです。

この下りも、冷静に考えれば死体を持ち帰る王子も異常な心理ですよね。。

姫が生き返るのは、ガラスの棺に入れた白雪姫を運ぶ途中、家来が木に足をひっかけてつまずき、揺れたことでリンゴのかけらを吐き出したからなのです。

極めつけは、最後の復讐劇です。

白雪姫は王子と結ばれ、母は結婚式にのこのこと出掛けますが、真っ赤に焼けた鉄のくつをはかせられ、熱さにぴょんぴょん跳ねて亡くなります。

何とも残酷な復讐劇です。

中世世界の庶民の生きる苦しみが、このようなグロテスクな形で物語に表出したのでしょうか。

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フランスの古い童話から採択されたシンデレラ(灰かぶり姫)もしかり。

ピノキオは、1883年にイタリアのカルロ・コッローディによって書かれた、作者も明らかな作品ですが、ピノキオを殺そうとするリアルで残虐なシーンが何度もでてきます。

又、悪いことをすれば、神から厳しい罰が与えられるというスタンスで描かれており、ディズニーのどこまでも開放的でポジティブな世界とは対称的です。

ディズニーにより夢にあふれた話へ

このような原話を、夢にあふらた作品に生まれ変わらせたのがディズニー映画なのです。

アメリカはプロテスタントたちが移住し、作り上げた新世界。

一から植民し、短い歴史の中で、世界の頂点に立った国です。

夢を信じ続ければ願いが叶う、アメリカ的な楽天的思考の中で数々のアメリカンドリームが実現してゆきました。

ウォルト・ディズニーもまたその代表的な一人ですね。

白雪姫もシンデレラもピノキオも、理想を実現します。

物語をかくも夢物語に、親が見ても安心できる夢と希望の世界へと転換させたのです。
人は夢を見ることから夢の実現は始まります。

彼が心から伝えたかった、そして広めたかった夢は今や確実に世界に広がりました。

そして子供たちの心を希望で大きくふくらませているのです。

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