2020年の大河「麒麟がくる」
2020年の大河ドラマは明智光秀を描いた「麒麟がくる」に決定したとのニュースが流れました。
主演は長谷川博己さん、脚本は池端俊策さんの書下ろし。
実はちょっとがっかり半分、喜び半分の複雑な心境です。
最近の大河ドラマは、来年2019年のオリンピック特別企画は別として、描く時代が戦国、幕末に固定。
新たな時代への脱却を祈りつつ、次の大河ドラマ発表を待っていました。
明智光秀。。。戦国ど真ん中でした。
しかし視聴率を稼ぐには最も確実な戦国、信長の時代。
来年の近代を取り上げるという冒険から堅実路線へ。
気持ちはわかるものの、また戦国時代かという思いです。
ところが、今回は喜ばしい点がいくつかあるのです。
楽しみな長谷川博己✖池端俊策
主演の長谷川博己さん。
素晴らしい役者さんで、いつかは大河の主役を見たいと思っていた事が実現。
そして脚本がベテランの池端俊策さん。
何とも期待させてくれるお二人です。
このコンビ,以前NHKのドラマ「夏目漱石の妻」で非常に魅了させられました。
池端さんは大御所の脚本家ですから実力は当然ながら、驚かされたのは長谷川博己さんの演技でした。
神経質な夏目漱石を引きつった片目で表現、思わず凄いと思わせました。
聞くところによると池端さんによる長谷川さんのご指名だとか。
あのコンビが大河で再現、何とも、そこは非常に楽しみなのです。
間違いなく質の高いドラマとなり、視聴率も稼ぐことが出来る事でしょう。
明智光秀という人物
そして、取り上げられる明智光秀という人物。
実は私は好きなのです。
明智光秀は、どうしても本能寺で信長を殺し、秀吉によって討たれた不忠者という印象が強いですが、実は教養の大変深い実に優れた人物でした。
最後の将軍足利義昭を支え、京の文化人たちと対等に交流出来た大変に知的な人物です。
信長に仕えてからは、後世秀吉ばかりが目立つものの、何といっても織田家中の一番出世は明智光秀なのです。
圧倒的に才能のあふれた人物でした。
光秀の治めた琵琶湖畔にある坂本には、足軽に至るまで心を配った書状が残っています。
新興の大名であった為、人心を掴むために必要に迫られた事ではあったかとは思いますが、家臣たちに行き届いた配慮を見せる心細やかな一面が垣間見えます。
明智光秀は、主軸に置くことにより、戦国という時代の神髄をみせてくれる人物ではないでしょうか。
下剋上を象徴する、斎藤道三が乗っ取った美濃から身を起こし、才覚ひとつで戦国の世を駆け上がり、最後の将
軍足利義昭に仕えて滅びゆく時代と、全く新しい思考パターンで新たな時代を切り開く信長の時代を描くことが出来ます。
そして天下を掴んだと思いきや、秀吉の信じられぬ猛攻により、三日天下で滅んでゆく悲劇的な生涯。
彼の死とともに最大の下克上が終わったその時、光秀は何を思ったことでしょう。
本能寺の変には、謎が多すぎます。
秀吉の中国大返しも出来すぎた話ですし、歴史の常として、新たな支配者の時代となった後は、新たな天下人を称えるのと反比例して、誅せられた人物は後世大悪人として名前を残さざるを得ません。
輝く才能を持ち、人生を駆け抜けながら汚名を残さざるを得なかった不幸な人物という印象を持っています。
信長の死には、その裏に権謀術数渦巻く何かしら歴史の奥深い闇があり、その犠牲となったのが明智光秀という
人物だったのではないでしょうか。
明智光秀は死ななかった?
明智光秀は実は死なず、山崎で秀吉と天下取りの戦いに負けた後も辣腕をふるい長生きをしたという説をご存知でしょうか。
名前を変えたその人物とは、家康から徳川三代にわたり仕えた天海僧正。
江戸の街づくりにあたり、風水を駆使し四神相応の京都に負けぬ結界のはられた国をつくりました。
風水は今でこそ迷信であるものの、当時としては科学なのです。
豊富な知識を総動員して江戸という時代の基礎を作りました。
徳川の知恵袋として大きな権力を持っていた怪僧。
この天海が実は、光秀の新たな顔ではないかというのです。
不思議なことに、これだけの人物でありながら前半生はほとんどわかっていないのです。
水上勉も光秀=天海説に基づいて歴史小説を書いています。
百数十歳まで生きた天海は、日光東照宮の造営にも大きな関わりがありました。
東照宮とは実は戦略的に江戸の守りの大きな要でもあります。
万一江戸が落ちた時には、堅牢な日光に引き防戦する目的がありました。
この東照宮には天海も眠っています。
日光には明智平という地名があるのははたして偶然でしょうか。
明智光秀は、戦国を描くには実に面白い人物です。
戦国はちょっと、、とは思っていたものの心惹かれています。
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