「ひよっこ」 感想。岡田惠和の素晴らしい脚本と有村架純の可能性

「ひよっこ」が素晴らしい

初回から、朝の連続テレビ小説「ひょっこ」を見ています。

非常に良くできた作品で、朝の連続テレビ小説の中でも最高のドラマにになりそうな予感がします。

 

はじめは、茨城独特の方言と、あまりの田舎の生活ぶりに、ちょっと入り込めないものを感じていたのですが、慣れてくると、いつのまにか、ぐいぐいと物語に引き込まれていました。

大好きな主役の有村架純さんは、期待に違わず、いいですね。

きっとこれから素晴らしい女優さんに成長してゆかれることでしょう。

脇で支える役者さん達も、皆さん生き生きと演じていて、素敵です。

セリフには愛があふれており、”ほんわか”とあったかい気持ちにさせてくれます。

今回、岡田惠和さんの脚本と知り、注目していましたが、さすがに素晴らしいです。

登場人物の配置、言葉の選択、ドラマの進行、リズム感、素晴らしく、これからの岡田ワールドの展開が楽しみです。

スポンサーリンク

今日のお話

今日は、主人公と幼なじみの3人が、集団就職の為、東京へ出立する前夜から当日にかけてのお話でした。

別れの切ない思いに、胸がいっぱいにさせられましたが、しかし冗長なセリフはありません。

幼なじみの三男は、まるで家族の愛情を食べ尽くそうとでもするかのように、ごはんのおかわりを繰り返しています。

家族達は、驚いた目で見つめながら、しかししっかりと三男の気持ちを受け止めています。

絞り混んだ描写から、しっかりと伝わってくる三男と家族の寂しさ。

無駄な言葉は一切省かれ、登場人物の心がじ~んと心に響いてきます。

古谷一行さんの演じる主人公みね子のおじいちゃんがたまらなくいい。

みね子の家では、おじいちゃんが、毎日の営みである日々の農作業を続けています。

手を止めて、寂しげにみね子の去る姿を見つめ、万感の思いを胸に秘め、別れの手を静かに上げようとする姿は、胸に迫りました。

明るさを絶やさない母を演じる木村佳乃さんも、いいですね。

みね子たち集団就職の学生を乗せた列車は、上野駅に到着します。

みね子を引率する付き添いの先生の前に、就職先の工場の舎監を演じる和久井映見さんが現れます。

どこか天然の、しかし底抜けに明るく優しい彼女の登場は、寂しさをすくいとってくれます。

初めての東京へ出てきた子たちの、不安の穴を、視聴者の感じていた不安の穴を、和久井映見さん演じる舎監の明るいキャラクターが覆ってくれるのです。

いよいよ東京に舞台が移り、様々な人間が登場します。

故郷の茨城との二重奏で、引き立てあいながらドラマが展開していくのでしょう。

脚本の岡田さんが気合いを入れる姿が目に浮かびます。

涙は沢山ありながら、しかしらさらりとさわやかに笑顔に転換させていく、朝ドラにふさわしい心の底から温まるドラマです。

岡田惠和さんの本は、期待を裏切りません。
これから新たな人物が交錯してゆく、東京編での物語の展開が、非常に楽しみです。

タイトルバックと音楽

あのタイトルバックはどうやって撮影しているのでしょう。

昭和の生活用品を東京の建造物に見立てる、ノスタルジックな夕日に映える都会の風景を、違和感なく感じさせます。

そこにコンピューターグラフィックで描かれた人物達が、ドラマを演じています。

その上に重ねられる桑田佳祐さんのどこか懐かしい曲。

何だか三丁目の夕日を見ているような心持ちにさせてくれます。タイトルバックから凄いと思わせる完成度です。

「ひよっこ」のこれからの展開を応援しています。

スポンサーリンク