ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン
今日は、夕方から出かけ、有楽町国際フォーラムで開催されている、ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンに行ってきました。
ラ・フォル・ジュルネは、2005年から開かれているクラシックの音楽祭、フランス語で「熱狂の日」。
フランスで毎年開かれているクラシック音楽祭の日本版です。
2005年のゴールデンウイークに東京で開催されて以来、すっかり日本に定着、今や金沢や新潟を始め、各地でも開催されるようになりました。
朝から晩まで、国際フォーラムの各ホールや、会議室をフル活用して演奏会が行われる、音楽ファンにとってはたまらないイベントです。
今日は、たまたま知り合いの方からチケットを頂き、21:45開演(こんな時間から!)の、フランス国立ロワール管弦楽団、パスカル・ロフェ指揮による、ストラビンスキー「火の鳥」組曲(1919年版)と、ラベルのボレロを聞いてきました。
遅い開演、ゆっくりと食事を楽しみました
開演まで時間がたっぷりあったので、有楽町でゆっくりと夕食を食べて、会場へ向かいました。
普通、時間的にコンサートが終わって食事をしますが、コンサート前にゆっくり食事をして満ち足りた気分でコンサートへ行くのも、ちょっと贅沢な気分です。
食事を終えて、国際フォーラムに行ってみれば、21時を過ぎているというのに、大勢の人であふれており、出店まで出てお祭りムードに包まれていました。
楽しい気分に身を任せて、広い国際フォーラムの中から、目的の演奏会場に入りました。
国際会議場の、広大な会場はもちろん満席でした。
自分の席を見つけ、舞台を見れば、大編成の「火の鳥」も余裕で収まっています。
ラ・フォル・ジュルネは毎年テーマが決まっています。今年のテーマは「ラ・ダンス 舞曲の祭典」。
フランスのラ・フォル・ジュルネ発祥の地であるフランス、ナントを拠点とするフランス国立ロワール管弦楽団と、音楽監督パスカル・ロフェ指揮による演奏です。
まずはバレエ音楽「火の鳥」。ストラヴィンスキーの代表作のひとつで、私も演奏経験のある思い出の曲。
火の鳥の演奏は、ちょっと爽やかな聞きやすい素晴らしい演奏でした。
圧巻のボレロに客席は興奮
しかし今回の圧巻はボレロでした。
ジャズピアニスト小曽根真さんとの共演によるスペシャルバージョンで、特別ゲストにトランペットのエリック宮城さんが加わった熱い演奏でした。
私は、そもそもジャズというものをよく知りません。
ボレロのスペシャルバージョンと聞いて、どんな風に手が加わるんだろうと興味津々でした。
しかし聞き慣れたボレロの始まり。
ボレロのリズムにのって、有名な旋律が動き始めました。
そして小曽根さんのピアノに受け継がれ静かに小曽根バージョンの始まり、自由に動き始める。
最後はクライマックスに向かって全オーケストラが響き渡る中、小曽根さんの圧巻のテクニックがオーケストラと協演、エリック宮城さんのJAZZトランペットが響き渡り、実に心地いい圧巻の演奏でした。
音の魔術師といわれたラベルの作品と小曽根バージョンのハーモニーが響きあい、実に心地よい新しい響きで、しかも違和感のないボレロでした。
小曽根さんはジャズにとどまらず、最近はクラシックを取り上げているとのこと。
クラシックとジャズが一つの作品の中で響きあい、クラシックの原曲を壊さず、ジャズの響きが溶けあい、ボレロという名曲が自然に新しい命を吹き込まれた印象を受けました。
ボレロの熱狂的なクライマックスが終わると、お客さんの反応が凄い。
熱狂的な拍手とブラーボーの嵐でした。
演奏終了後、小曽根さんご自身がピアノの蓋を閉じられたので、もうおしまい、という意思表示かと思いましたが、鳴りやまぬ拍手に応えて、再びピアノの蓋を開きアンコール。
ショスタコービッチ「ピアノ協奏曲第1番からのインプロビゼーション」を演奏。
さらに、大きな拍手に応えてボレロのクライマックスをもう一度演奏されました。
お客さんの興奮は頂点に達し、ブラーボーの嵐とスタンディングオベーション。
まさに熱狂の日の演奏でした。
スポンサーリンク