秋の寂しさ。落葉、夕闇、冬を予感させる風と家々に灯る明かりへの郷愁

いつの間にか秋が

今年の夏、東京は暑いのか暑くないのかはっきりしない天気が続くうちに、いつの間にか秋風が吹き始めました。

夏が訪れた当初、暑い夏になりそうで、覚悟を決めていましたが、肩透かしをくらったようです。

今この瞬間も、窓から涼しい風が流れてきています。

桜の花が新緑に変わる頃、このブログをはじめ、5か月が経過。早いような短いような。。

あの頃、新緑に輝いていた緑も、間もなく美しい紅葉となって、葉っぱも枝から離れ、秋風に舞います。

夏の湿気から解放されて、爽やかな風が心地いい。

しかし、じきに朝夕は次第に冷え込み、日もますます短くなります。

人恋しい季節

秋が来ると、何だか寂しい心持ちになります。

気温が下がり、夜が長くなるから、人が恋しくなるのか。

夜の高層マンションの一つ一つの窓からもれる明かりが、人恋しさをいっそうつのらせます。。

何回この季節のサイクルを経験してきたことか。。

そして空気が冷たくなると暖かいものを求めるようになる。

人の温もり。居酒屋の熱燗、暖かい鍋、本能的な寂しさが求めているのでしょうか。。

夜が長くなるにしたがい、何か神秘的な気分になります。。

夏ち葉の裏や草むらの陰に妖精が隠れていたり、日が沈めば暗闇の中に魑魅魍魎が隠れていそうな気分になります。

もうすぐハロウィンの季節となりますが、ケルトの人たちが、秋の深まると同時に、闇の向こう側の世界に、畏怖の思いを抱いた気持ちが何となくわかるような気がします。

ヨーロッパでは人を優しく包み込んでいた森も、いつしか、人を迷わせる魔界となる。

こんな季節には、人の心に隙間ができて、実はちょっと怖いヨーロッパの昔話なども生まれる背景にあったのではないかと、感じます。

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幼い頃の秋の記憶

秋は又、私には懐かしい心の奥にあるものを揺り動かす季節でもあります。

親の温かい庇護のもとで生きていた子供の頃、一時期で田んぼの中に建つ家で、田舎暮らしをした経験があります。

秋になれば、田んぼの稲は刈り取られ、子供たちの遊び場が一気に広がります。

刈り取られた藁が干され、秋空の下、藁の上をゴロゴロした時の乾いた香りが、心の奥にしまいこまれていて、今でも藁の臭いはその頃の些細な日常を思い出させてくれます。

自然の中を駆け回っていたその当時、もっと世界はワクワクさせるものでした。

冒険の連続、不思議の連続でした。

愛が生まれる?

いつしか、秋はどこか心寂しい季節になりました。

“寂しさ”と書いた駒をひっくり返したら、”愛”という文字がひょっこりと現れるかもしれません。

秋は、人と人との心を近づける作用のある、素敵な季節なのかもしれません。

仲間との間に友情が生まれ、男と女に愛が生まれる。

季節という微妙な変化が人間の心にふりかける不思議な魔法ですね。

日が傾き、人の心にも、陰影をくっきりとうつしだします。

秋を感じるこの頃、早くも人恋しい季節となりました。

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