クリスマスを待つ日々
クリスマスが日一日と近づいてきますね。
クリスマスが近づくのと同時に、冬も深まり、夜、電車を待つホームで、空気の冷たさが身にこたえるようになりました。
この季節、子供の頃、ちょうど今頃は、あといくつ指を折ればクリスマスが来るのだろうと、サンタクロースに持ってきて欲しいものをひとつに決めあぐねながら、まだかなあまだかなあとサンタが来る日を待っていました。
私たちが、クリスマスを待ち望むように、西洋世界でも昔からクリスマスの日をまだかまだかと待っていました。
西方教会の待降節
キリスト教の西方教会では、11月30日の「聖アンデレの日」より、クリスマスまでの4週間までの期間を待降節(アドベント)といいます。
クリスマスが来るのを待つ期間ですね。
冬のヨーロッパを旅すると、あちらこちらにクリスマスの飾りなどクリスマス用品売るお店が立ち並び、一軒づつ見て回るのはとても楽しいです。
昔からあるもので、例えば4つの蝋燭立て。待降節に入ると毎週一本づつろうそくをともしてゆき、クリスマスの日には4本のろうそくがそろうのです。
それからクリススまでの日めくりカレンダー。子供たちは日ごとにカレンダーをめくりながら一日一日と近づい
てくるクリスマスを、ワクワクしながら待っていたことでしょうね。
クリスマスまでの間にいくつかの聖人の日があります。
12月4日は聖バルバラの日、12月は聖ニコラウスの日、12月13日は聖ルチアの日、12月21日は使徒聖トマスの日。
それぞれ、様々な形でお祝いしながらクリスマスの気持ちは段々高まっていくのですね。
寒い冬、再生への思い
クリスマスは古来再生の日であるのです。その昔、農民たちは特別に選んだ木、特に果物のなる木を、来年もまたたくさん収穫できますようにという思いを込めて、さらなる生命を与えるために燃やしました。
そして残った炭を大切に保存して、家族を病気や死から守ってくれると信じられました。
それから青々としたもみの木は生命の象徴です。冬の生あるものを拒絶する季節、青い生命は生きる象徴です。
ゲルマン系の国ではもみの木に魔法の力、豊かさへの魔法の力が宿るとされたのです
昔、イギリスでは女性が森に入り、一抱えの木をとってきて、家を回って配り報酬を得ました。
これは、受胎能力のある女性の大事な仕事なのです。古い呪術的な名残りなのです。
昔の人々の生に対する静謐な思いを感じさせられます。
外は吹雪く寒い日に、家のなかに持ち込まれた緑は、寒さと闇に閉ざされた孤独の季節の中で、もしかしたらもう春がめぐってこないのではないかという恐怖を人々に和らげてくれます。
そういえばビュッシュドノエルという、薪の形をしたケーキがありますね。ここには実は古の人達の生に対する祈りが、切なる思いが隠されているのです。
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