重松清の原作「ブランケット・キャッツ」ドラマ化への期待

素晴らしかった「ツバキ文具店」に引き続き

NHKドラマ「ツバキ文具店」が終わりました。

想いを人から人に伝えるというテーマを、昭和的な空気感の中、毎回色々な形で描かれ、心に残る非常に面白いドラマでしたので、終了後はちょっとロス状態に陥っていました。

しかし、6月23日(金)からは、私の好きな作家の一人、重松清原作の「ブランケット・キャッツ」が、放映されると聞きました。

「ツバキ文具店」のロス状態を埋めてくれそうな期待感。

ストーリーテラー重松清さん

重松清さんは、心暖まる数々の素敵な小説を描かれている、大好きな現代作家の一人です。

特に子供の心の細やかな機微を描かれるのが上手く、又、親子の、家族の関係なども、情感細やかな話に紡ぎあげる素晴らしいストーリーテラーです。

映像化された作品も数多く、「とんび」、や「その日の前に」など何度も涙腺を緩まされました。

「ブランケット・キャッツ」がどのような作品になるのか、大変楽しみです。

猫にまつわる話の数々、猫好きの方は特に楽しめるのではないでしょうか。

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ブランケットキャッツについて

「ブランケット・キャッツ」は2008年に朝日新聞から刊行された、2泊3日のレンタル猫、ブランケットキャッツをめぐる七つの短編小説集です。

主演は西島秀俊さんで、吉瀬美智子さん、島崎遥香さん等が出演。第一回のゲストは蓮仏美沙子さん!

蓮仏さんは、この間まで、朝ドラで存在感を見せてくれていましたが、またドラマでお会いできるのが楽しみです。

脚本を担当されるのは江頭美智留さん。

「ごくせん」、とか「花咲舞が黙ってない」等、数々の人気作品を手掛けられた実力者、どう料理されるのでしょう。とても楽しみです。

残念だった重松作品

過去、重松作品のドラマでは、心残りな作品があります。

数年前にとりあげられた「あすなろ三三七拍子」。

私としては、これは面白いぞ、と思って見ていたのですが、視聴率は低迷。。

ストーリーが奇想天外で、中年男が会社の社長に命じられ、社長の出身大学応援団の廃部危機を救う為、社命により大学応援団に入部するというもの。

荒唐無稽さがドラマには不向きだったのでしょうか。

昭和的根性論はもはや時代に合わなかったのでしょうか。

非現実的な世界ですので、上手く調理しなければ視聴率は得られないでしょうね。。

結局8回くらいで、打ち切りになってしまいました。

残念な結果でしたが、いい台詞がいっぱいありました。

その中でも、西田敏行さん演じる社長、つまり存続の危機にある応援団の大OBが、バリバリ男社会の非現代的な団存続を認めたがらないフェミニストの女性教授に語った台詞が、非常に印象深く記憶に残りました。

場面は団の合宿で、現役の学生団員が課せられた長距離ランニングを行う際、OB達が団旗を振り、応援し、中には腕立て伏せをするOBもいるという状況を見ながらのセリフです。

 

”応援とは、そもそも傲慢な事なんです。精一杯頑張っている人間に、頑張れと言うわけですから。ですから、我々団は、応援される人間よりも、もっともっとたくさん汗をかくんです。

人に頑張れというからには。

応援する我々はもっと頑張らなければ、応援する資格なんぞ持てません。

とにかくひたすら、それが団の精神です。”

 

つい、誰かを励まそうと、”頑張れ”という言葉を使いますが、この言葉の重さを考えさせられました。

頑張れという言葉は、時にギリギリで生きている人の心を追い詰めます。

重松清ならではの優しさを感じさせる、ハッとさせられる言葉でした。

このドラマは、最終回に向かってどんな風に纏めあげられるのか楽しみでしたが、視聴率の低迷から打ち切り。

ドラマは尻切れに終わってしまい、期待していた者として非常に残念でした。。

NHKでは、どうか視聴率を気にせず、質の高い素晴らしい作品に仕上げてほしいと期待しています。

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