「ひよっこ」 感想、叔父宗夫のビートルズ愛の秘密。戦争体験と生きる力

ひよっこが快調です

ひよっこも中盤に入りましたが快調ですね。とても面白いです。

さすが脚本の岡田惠和さん、朝ドラにふさわしい、ほっこりと愛情のあふれるセリフの数々に癒されます。

宗男の戦争体験

ちょっと感動させられたのは、主人公のみね子の叔父、宗男が戦争体験を語ったシーンでした。

彼はこよなくビートルズを愛していますが、何故愛しているのか理由が明らかになりました。

南方戦線インパールで、悲壮な死と隣り合わせの戦争体験を語ったシーンです。

戦場で偵察に出ているとき、夜暗闇の中で、一人のイギリス人と銃を構えた状態で出会いました。

お互い動けなくなったのですが、イギリス人は近くの仲間に何か言って、にっこり笑って仲間のところへ去っていったのです。

彼は救われました。しかし宗男は、後で笑えばよかったと後悔し、以後、拾った命を笑って生きることにしたのです。

そしてビートルズ。宗男はまたイギリスかよ、と嬉しかった。ビートルズかその時命を救ったイギリス人か、ごっちゃになりました。。

ひよっこは、明るいドラマの後ろにしっかりつらい過去を言葉少なに描き込んでいるのです。

だからいとおしい。

私がこれまで見てきた朝ドラの中でも、傑作だと思います。本当に素敵なドラマです。

一日の始まりに見るドラマですから、視聴者に元気を与える内容であった方がいい。

涙より笑いがあった方がいい。

視聴者は、愛情溢れるほんわかした気持ちを抱いて、一日を始めたい。

しかもドラマ作品として優れたものでありたい。

明るくて奥行きがあって、岡田さんの絶妙なスパイスの調合がきいて、役者さんたちが生き生きと演じて、素晴らしいドラマです。

宗男のこのシーンは、お店とアパートの間にある、人が交差する場所。

岡田さんのドラマでは、よくこういう空間が作られます。

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素敵な役者さん達

役者さんたちが素敵ですね。私は、特に佐々木蔵之介さんの存在が目を引きます。

さりげない演技なのに、溢れる優しさが表現されていてとても魅力的です。

宗男役の峯田和伸さんの強烈な個性がいい案配にひきだされてますね。

以前同じNHK の同じく岡田脚本の「奇跡の人」で強烈な怪演で注目させられました。かなり強烈な個性でしたが、

脇役としていい味が引き出されています。

注目すべきは竹内涼真さんでしょう。いい役ですね、彼にとっては大きなブレークの兆し。ひよっこをステップボードに羽ばたいて欲しいです。

シシドカフカさんが目を引きます。美しいですね。回が進む毎に謎の女性の優しい中身が引き出され、昔の朝ドラ「ちゅらさん」に出ていた菅野美穂の役柄を彷彿とさせます。

シシドさん演じる早苗さんは、何となく今後、ドラマのキーとなる役割を果たしそうな予感がします。

慶応ボーイの純一郎と、同じくみね子に恋していると思われる見習いコックの秀俊との関係も気になります。

ヒロインの有村架純さんは、主人公としてぴったりの役者さんですね。

役者として大変運の強い人ですね。

今後、役者として大きく羽ばたいて行かれる事でしょう。

「ひよっこ」の後半にどんな展開が待っているのか、目が離せません。

本当に楽しみです。

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